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性のあり方の多様性

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

日中の最高気温が−7℃という一段と寒い今日の札幌。今日はSTVさんでお仕事があり、その帰り道、北菓楼に寄ってきちゃいました。目的はこちら。
北菓楼のソフトクリーム!今月のソフトクリームは、私の大好きなラムレーズンでした❤︎ 外はヒエヒエなのにもかかわらず、暖かい室内でアイスクリームの類を食べてしまうのは、北海道ではよくある話。ボリュミーなこちらのソフトクリームを完食したころには、「ちょっと身体が冷えちゃったかも」と思いましたが、すぐそばにある地下へ続く階段を降りれば、そこには暖かい世界が。地下万歳!ですね。

本格化する寒さとは裏腹に、最近私が個人的にホットだと思う話題と言えば、札幌市が「同性カップル」を認める制度の導入を検討するというもの。東京都の渋谷区と世田谷区、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市では「同性カップル」が条例や要綱で認められていますが、まだまだ全国的には一般的ではありません。もし、札幌市がこの制度を導入することになれば、政令指定都市では初めてのケースになるそうです。

私が留学をして良かったと思うことのひとつに、若いうちにダイバーシティー(多様性)を尊重する社会と文化の中で生活できたことが挙げられます。

カナダは、みなさんが既にご存知のとおり、多民族国家です。同じ多民族国家でも、カナダの隣国のアメリカは”人種のるつぼ”(melting pot)の国。これは、多種多様な人種や民族の文化がアメリカという社会の中で融合して、新しい(アメリカの)独自の文化が作り上げられているという意味です。その一方で、カナダは”モザイク社会”の国。多種多様な人種や民族によって作り上げられた異なる文化や伝統を互いに尊重し合う姿勢が顕著です。ですから、カナダ人の多様性に対する寛容さは、日本人のそれと大きく異なっています(もちろん、差別的な人がいるのも事実ではありますが…)。それは人種や民族に対してのみならず、セクシュアルオリエンテーションが異なる人に対しても同じでした。

私の高校のフランス語の女性の先生は、レズビアンでした。バスケットボール部のコーチをしていた元バスケットボール選手の先生はサバサバとした性格でしたが、とても優しい方でした。私が大学留学時代に住んでいたバンクーバーという街は、北米でサンフランシスコに次ぐ第2のゲイ人口が多い街で、特に私が生活をしていたWest Endというエリアは、市内でもゲイが多いエリアで知られています。West Endのいたるところにはレインボーフラッグが飾られていて、時々、赤ちゃんを育てているゲイのカップルに出くわすこともありました。今でも交流がある私が長らくお世話になった美容師さんもゲイでした。そんな環境で生活をしていた私がたどり着いたのは、とてもシンプルな答えでした。

恋愛対象が同性であるだけ。それだけの違い。

どういう運命のめぐりあわせなのかはわかりませんが、以前勤めていた大学病院で性同一性障害(GID)の治療を始めることになり、私もスタッフとして関わることになりました。正確な数はわかりませんが、100人近く、もしかすると、それ以上の数の性別違和に悩む方にお会いしました。GIDという障害の特異性がゆえに、当事者の方は周囲からの理解を得ることが非常に困難で、誰にも相談できずに悩んでいる人がこんなに多いのかと驚かされたものです。彼らの話にじっくりと耳を傾ける中で、たどり着いた答えも、とてもシンプルなものでした。

みんな、ただ、「自分らしく」生きたいだけ。

その「自分らしく」を実現させるためのひとつの手段である「同性カップル」を認める制度。自分が住む街が、その導入を積極的に検討しているということは素直に嬉しく思いますし、性のあり方に限定されることなく、この街が住む人や訪れる人の様々な多様性を尊重できる生きやすい街になることを期待しています。それを私も陰ながら応援していきたい。そう思います。

ここ数年でセクシュアルマイノリティ(LGBT)に対する理解は、かなり深まりつつあります。しかし、先ほどもお話させていただいた通り、誰にも相談できずに悩んでいる方はまだ大勢いらっしゃるのではないでしょうか?LGBTそのものを治療することはできませんが、当オフィスでは、そのような方たちの気持ちを受容し、自己肯定感を高めながら、「自分らしく生きる」ための心理的サポートを提供しています。

性のあり方に関係なく、「自分らしく生きる」ことは、誰にとっても大切なこと。

ひとりで抱え込まずに、お気軽にご相談いただければ幸いです。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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