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自分を正当に評価していますか?

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

この週末のお休みには、とあるセミナーを受講するために一泊二日で東京へ行ってきました。セミナーは日曜日だけだったので、日曜日はしっかりと勉強をして、月曜日は少しゆっくりしてから札幌に戻ってこようと思い、朝7時から午後3時までしかオープンしていない根津にあるフレンチレストランでブランチをしてきました。

月曜日の朝は大抵の人はお仕事だと思い、誰に声をかけることなく、当初はひとりで行く予定だったのですが、高校の同級生で東京で女優として活躍している金崎敬江ちゃんが声を掛けてくれたので、ご一緒することにあいなりました!
台風の影響で雨が降る中だったのですが、わざわざ会いに来てくれたことに感謝です。Facebookで繋がっていることもあって、実際には会ってなくとも、何となくお互いの近況は知っているのですが、実際会わないと話せないことも多々ある訳で…(汗)。2時間という短い時間ながらも、色んなことを熱く、そして、深く語り合いました!

自分自身の内面も語り合ったりしてたのですが、その過程の中でフツフツとわいてきた自分に対する疑問については、今日はお話ししたいと思います。

留学を6年をして、カナダの大学も出ている。年に1回通訳の仕事もするし、ネイティブの人とお話しするときは「君の英語は素晴らしいね!」と言われることもある。頭では「自分は英語が得意」と思う一方で、いつも心の中では「6年も留学していたのに、この程度くらいしかできないのか?」と思われているのではないか?と不安になったり、英語で話しているときに「もう一度言ってくれない?」と言われたら、「私の英語は本当は大したことはないんだ」と途端に自信を失くしたりすることがある。それなのに、自分より上手に英語を話せない人が、堂々と「私、英語が得意なのよ!」という態度で話しているのを目の当たりにすると、ものすごくイライラしたり、「大したことないのに、どうして、あんな横柄な態度でいられるの!?」と攻撃的になることも時々あるんですよね。「何だろう、この矛盾って?」と考えているうちに、こんなエピソードを思い出しました。

1年の留学から戻ってきたばかりの高校3年のときの英語の授業でのこと。英語の先生は、もちろん、私が留学から戻ってきているのを知っていました。その先生は外国語教育では有名なJ大学出身で、おそらく、自分の英語にはかなりの自信を持っていたと思います。何かにつけて「向こうでは〜って言うんだよね?」と訊いてくるのですが、どれも「そんな言葉、ネイティブでさえ使っているの聞いたことないわ!」というくらい難しい言葉ばかり。私が知らないことがわかると、その先生は「留学していたのに、そんなことも知らないの?」というような態度をとってきたので、私はとても嫌な気持ちになっていました。

カナダの大学を卒業して札幌に戻ってきた頃、大学院が始まるまで9ヶ月ほどあったので、バイトをしようと仕事を探していました。今はもうありませんが、当時は札幌でも有名な英会話教室でパートの英会話講師を募集していたので、そこに履歴書を送ってみました。そうしたら、採用担当の人から電話がかかってきました。おそらく40代くらいでしょうか。その英会話教室の採用担当の男性は、私が電話に出るなり「英語ができるからと言って教えることができるわけではないんだから、その辺り、勘違いしないでくださいよ!」と言いました。会ったこともなければ、話しもろくにしたことがない人に、いきなりこんなことを言われてビックリしたと同時に、「英語が話せるからっていい気になるんじゃない!」と言われているようでした。

そして、その数ヶ月後に受けた英検の1級の2次試験。2次試験は面接試験では、面接官と自由に会話をした後、トピックを与えられてスピーチをし、それに対するQ&Aをするというのが試験内容になります。面接官はネイティブスピーカーと日本人の2名でした。今はかなり落ちてしまいましたが、帰国したばかりの頃の私のしゃべるスピードはかなりハイスピード。自由会話では日本人の面接官が全く口を挟めないスピードで話していたせいか、ネイティブの面接官は「君の英語はとても素晴らしいね!」と褒めてくれたのに対して、日本人の面接官は「君の英語は、雑でちっともわからない。そんなんじゃダメだね」とピシャリ。スピーチをした後の質問も、ネイティブの面接官の質問は1回で理解できるのですが、日本人の面接官の英語がめちゃくちゃで言わんとしていることが全く理解できず、聞き返すと「どうしてわからないんだ?」とでも言いたいような怪訝そうな顔をされました。試験には合格しましたが、面接が終わった瞬間は、日本人の面接官の態度から「絶対に落とされた!」と思うほどでした。

そんなエピソードが、芋づる式に思い出された訳ですが、共通するのは、皆、中年男性。恐らく、留学の経験はなし。自分は「英語の専門家」であると認識をしている一方で、英語を流暢に話すことはできず、それに対するコンプレックスは強い。なので、自分のコンプレックスを刺激されるような人に出会うと、自己防衛のために相手を攻撃するようなことを仕掛けるのでしょう。完全なるパワーゲームですよね。

当時、10代、20代そこそこの私は、そんな心のメカニズムを知るすべもなく、年上の経験のある男性たちにそう言われたことがあたかも「真実」であるかのように受けとめて、「自分の英語は大したことがない」「英語が話せるからと言って、目立ってはいけない」と思い込んでしまったのでしょう。だからこそ、私がダメ出しされたことを堂々とやってのけ、英語がちょっとでも話せる自分に自信を持っている人を目の当たりにすると、「どうしてあの人は許されて、私はダメなんだ!」とイラッとしてしまっていたんでしょうね。「なんだ、そういうことだったのか!」と40代の今になって、ようやく理解できました(遅っ。笑)。

彼らのコンプレックスは、彼らの問題であり、私が解決できる問題ではありませんでした。そして、英語を習得するために努力し、頑張ったプロセスというものは、私自身にしかわかりえないものであり、彼らの勝手な「ものさし」を通して測られるべきものではなかったのです。自分が努力し頑張ったことに対して、自分自身が「よくやったよね」「頑張ったわ!」と評価することができないと、どうしても力がある(と思われる)人の「ものさし」を通して測ってしまいがち。当時(というか、つい最近まで)の私には、自分を正当に評価する力が不足していたことを、昨日、改めて認識させられた次第です。

謙遜が美徳とされる日本の文化で生きていると、「そんな大したことないですよ」と口にしているうちに自分自身を正当に評価できなくなってしまっているのかも知れません。自信をつけたり、自分らしく生きたり、不安の解消したりするためには、自分自身を正当に評価する力を身につけることが大切です。

いかがでしょう? あなたは、自分を正当に評価できていますか?

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臨床心理士  向 裕加

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