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経営戦略としてのメンタルヘルス対策

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

先日、経営者さんがたくさんお集まりになるとある会に呼ばれて、講話をしてきました。
興味をもってくださった経営者さんが多くいらっしゃったことは嬉しかったのですが、さすが経営者さん、「おいくらなんですか?」と直球ストレートな質問が直ぐに飛んできます(笑)。その質問に対して回答をすると、ほとんどの場合、「高い!」という印象をもたれるようで、悲しいことに、途端に消極的になられます。

メンタルヘルス対策については、ネガティブなイメージを抱きがちなので、「辞めてもらった方が良い!」とハッキリおっしゃられる経営者さんは、実際におられます。ただ、メンタルヘルス不調を理由に解雇はできません。また、メンタルヘルス対策を怠っていると離職率が高くなったり、メンタルヘルス不調者が発生して休職者が出て生産性が落ちるなど…会社の利益に大きな影響が出ます。恐らく、どのくらいの影響が出るのかをイメージすることができていないのでしょう。

ある会社がメンタルヘルス不調による休職者が発生した場合、企業に発生する損失コストを試算しています。例えば、年収300万円の社員がうつ病を発症して6ヶ月休職したら、会社の損失コストはいくらくらいになると思いますか?

実は、この場合では、損失コストは約590万円にもなると試算されています!

休職中でも手当は支払わなければなりませんし、復職したとしても、最初は慣らし勤務といって時間も短縮され業務負担も大きくない勤務期間を経なければなりません。もちろん、この間も給与が発生します。これらは本人に支払われる分だけです。

この他に、職場ではー1人で、同じ量もしくはそれ以上の量の仕事をこなさないとならない訳ですから、残された社員ひとりひとりの負担は必然的に増加します。ということは、残業代が発生する可能性が大な訳です。場合によっては、代替の社員を雇用しなければならないこともあるでしょう。そうなった場合、代替社員の研修費と給与が加算される訳です。

大抵の場合、休職者が発生すると、その仕事を引き受けることになるのは、同じ職場にいる仕事ができる人(←ここがポイント!)になります。チャカチャカと仕事を片付けることができるので、その人への負担が集中してしまいがちです。ただ、たとえ仕事ができるとは言え、この人にも限界がある訳です。仕事ができる人は他の会社でもやっていくだけの高い能力を持っているので、自分がダメになる前にさっさと転職してしまったりするんですよね〜。そうなると、さらに人数が少ない状況で仕事をこなしていかなければならない…ということで、職場の士気が低下しますし、更にメンタルヘルス不調を訴える社員が発生するという、ネガティブなスパイラルがあっという間に形成されます。

この話を多くの企業の顧問弁護士をしている高校の同級生にしたところ、「そうなんだよ、本当にそうなんだよ!!優秀な人が、どんどん辞めてっちゃうんだよ〜」と声を大にして共感を示してくれました。

メンタルヘルスや人間関係など「心を扱うプロ」である臨床心理士が企業において活動するということは、従業員の「心の健康」を維持と向上を支えます。心が健やかであると、職場の雰囲気が良くなりますし、従業員の生産性も上がります。そして、従業員の生産性の向上は、企業の利益に繋がっていくことでしょう。
企業としては、このポジティブなスパイラルを築いていきたいもの。なぜならば、ハッピーな従業員は顧客をハッピーにします。顧客がハッピーになると、売り上げは必然的にアップします。売り上げがアップすると、経営者もハッピーになれちゃいます!目指すは、みんながWin Winの関係になること。そのお手伝いをさせていただきたく思うのです。

企業の規模にもよりますが、仮に私を雇ったとしても、そのコストは先ほど提示した約590万円という損失コストの比にもなりません。それを「高い」と思うかどうかは、経営者さんの判断によりますが、長期的な展望で企業の経営を考えたとき、「ヒト」という資産をいかに大切にしていくか?が、これからの経営戦略には不可欠ではないかと、私は考えています。

メンタルヘルス対策は企業のリスクマネージメントでもあると同時に、企業の発展性がある将来を担う重要な新しい経営戦略。従業員も、顧客も、経営者も、みんなハッピーな企業を目指しませんか?その一助となれれば幸いです。

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臨床心理士  向 裕加

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