カウンセリングオフィスProgress

English Page

カウンセラーブログ

トップページ > カウンセラーブログ > 「今すぐにでも!」という方を引き受けない理由

「今すぐにでも!」という方を引き受けない理由

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。
今朝の出勤途中の地下歩行空間で、STVの【どさんこ チカホ de X'mas】が開催されていました。いたるところにブースやエリアが設営されていて、いろんなイベントがやっていましたよ。写真は赤レンガテラス近く。たくさんの人がいたので近くに寄ってじっくり観ることができなかったのですが、今年入社したばかりの新人アナウンサーの北本アナ(右から3人目)と佐藤アナ(左から2人目)がいるではありませんか!おふたりとは新人研修とその後1度だけSTV社内直接お会いする機会があったのみなのですが、おふたりとも社外でお会いしても私のことを覚えていてくれて、「お疲れさまです!」と笑顔で挨拶をしてくれる好青年です。入社したばかりの頃は、あどけない顔つきでどこか頼りないところがあったおふたりですが、今ではこんなに大勢の人の前で堂々お話ができるほどに。20歳近く離れているせいもあってか、子どもの成長を喜ぶ母親になった気分です(笑)。

さて、今日は、私のカウンセリングをする上でのスタンスについて、お話をさせていただこうと思っています。というのも、最近、「今すぐにでもカウンセリングを受けたいんですけど、予約できますか?」などというお問い合わせを多くいただいているからです。

当オフィスのHPのご予約案内にも記載をしていますが、当オフィスは完全予約制で、当日の受付はしておりません。また、前日までに指定の銀行口座へ入金していただくことが予約成立の条件としていることもあり、そのためにもカウンセリング希望する日の少なくとも2日前までにご連絡いただくことをお願いしていますが、それでも「今すぐにでも」というお問合せがあります。しかしながら、このような当日の受付や「今すぐにでも」というリクエストをあえて受付ないのには、私なりの理由があります。

自分の悩みを人に話すというプロセスには、それ自体に浄化作用がある…というお話は以前にブログでも取り上げました。話して「スッキリする」ということは大事なことではありますが、「今すぐにでもカウンセリングを受けたい」という方の多くは、その「スッキリする」という感覚を今すぐにでも得たいが故に、カウンセリングを希望されている節があります。実際、時間が空いていたときに、そのような方のカウンセリングを引き受けたこともあるのですが、問題の本質的なところへアプローチするためにはカウンセリングの継続的な必要であることをお伝えしたとしても、「話してスッキリしたので、とりあえずは今のところは良いです」と次回の予約を入れることはありません。

「お金を払っているのだから、それでもいいんじゃないか?」と思うかも知れませんが、私はそうは思っていません。というのも、カウンセリングをする上での私のスタンスは、クライエントがカウンセリングを利用せずとも、自分の問題や悩みをある程度自分の力で解決に導くことができる力を身につけてもらうことを目標にカウンセリングを行っているからです。もちろん、クライエントがカウンセリングを通して「スッキリする」ことも大切です。でも、それだけでは不十分だとも思うのです。

例えばですが、10年くらい前まで、私はしょっちゅうリフレクソロジーやマッサージに通っていました。背中の張りや肩こりがひどくて、具合が悪くなってしまうことが頻繁にあったからです。マッサージやリフレクソロジーを受けた直後は具合の悪さから解放されるのですが、しばらく時間が経つと、また具合が悪くなるので、またマッサージやリフレクソロジーに行く…ということが繰り返されていました。しかし、ピラティスやパーソナルトレーニングを定期的に受けるようになって身体の根本的な歪みを直すことを開始したところ、レッスンに通っているうちにマッサージやリフレクソロジーへ行く回数は格段に減りました。ここ2〜3年の間でマッサージやリフレクソロジーに行った回数は、片手で数えられるほど。つまり、経済的な面でも負担は軽減されたのです。

リフレクソロジーやマッサージは、カウンセリングでいうところの「スッキリする」効果はあるものの、問題の本質的なところにアプローチしているわけではないので、一時的に「スッキリする」ことはあっても、問題が消失することはありません。しかし、ピラティスやパーソナルトレーニングを行くようになって、私は自分自身の問題へのアプローチの方法を学びました。問題の本質、そして、それに対するアプローチの仕方を知り、それを何度も訓練(練習)することによって、誰かの手を借りなくても自分自身の問題を対処することができるようになったのです。

カウンセリングも、これに似ていると思っています。マッサージのように、辛くなったときにスポットでカウンセリングを利用するのは、心が「スッキリする」効果のみしか期待できません。問題の本質やそれに対するアプローチの仕方を知り、自分自身の力で問題に対処する力を身につけるには、ある程度の時間とコミットメントが必要になってくるのです。つまり、それは、カウンセリングを受けようと考えている方にも、ある程度の覚悟が必要になってくることを意味しています。

カウンセリングに対して、ある程度しっかりしたコミットメントをしているクライエントさんは、個人差はありますが、数回後から変化が現れてきて、こころが穏やかになってきていることを実感なさってくれています。一旦、自分の問題や悩みをある程度自分の力で解決に導くことができる力が身につくと、それは一生モノ。確かにカウンセリングの費用は決して安いものではありませんが、時々だとは言え、「スッキリする」ためにだけにカウンセリングを何年も、10何年もダラダラと利用するよりも、ある一定の期間しっかりとカウンセリングにコミットして、一生モノの力をつけたほうがコストパフォーマンスも良いと思っています。

ビジネス的には、どんなクライエントのニーズにも応える方がお金にはなると思いますが、「今すぐにでもカウンセリングを受けたい」という方を引き受けないのには、このような理由や考えがあること、そして、これが私のクライエントと真摯に向き合う姿勢であるということをご理解していただけたら嬉しく思います。

→ ご予約
→ お問合せ

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

English Page


lgbt Ally
lgbt Ally

カウンセリングオフィスprogress

〒060-0042
札幌市中央区大通西1丁目14-2 桂和大通ビル50 9F