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こつこつ、ゆっくり

札幌市中央区大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

先日、『人生フルーツ』という映画を観てきました。
(画像はお借りしました)

雑木林の家に住む90歳の建築家と87歳の妻の二人暮らしを追ったドキュメンタリー映画。正直な話をすると、私は全然気にも留めていなかった映画なのですが、パートナーがこの映画を観に行きたいと言って一緒に行くことになりました。

スローライフがもてはやされている昨今、自給自足生活をする人も珍しくなくなってきました。それはそれで素晴らしいことだと思いますが、「エコ」や「スローライフ」がファッションのようにもてはやされることには、若干の違和感を抱くこともあります。

『人生フルーツ』の主人公である津端ご夫婦の日常はいたって平凡ながらも、その暮らしの中には生きることへの美学や哲学がたくさん散りばめられていて、それらは、ゆるやかに流れる時間の中で、肩に力を入れることなく、ごくごく自然な形で体現されている。ファッションのような「スローライフ」ではない。頑張って作り上げられたライフスタイルでもない。真の意味での「スローライフ」がそこにはあったように思いました。

「あの人のやりたいことは何でもやらせてあげる」と言う87歳の妻を、90歳の夫は笑顔で「彼女はぼくの最高のガールフレンド」と言う。しわくちゃな顔だけれども、そこに刻まれたしわの深さが二人の互いに対する愛情の深さを示しているようで、何ともチャーミング。二人の柔和な表情は、これまでの人生がいかに充実し、潤っていたものであるかの証に思えました。

こんな生き方があるんだ。こんなご夫妻がいるんだ。そう思ったら、年を取るのも悪くないと思いました。

家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない  
   (ル・コルビュジェ)

すべての答えは、偉大なる自然の中にある
   
(アントニ・ガウディ)

長く生きるほど、人生はより美しくなる
   
(フランク・ロイド・ライド)

名建築家の言葉を具現化した津端ご夫妻の暮らしの原点は、きっと、建築家のご主人の「なんでも自分でこつこつとやってみると、見えてくることがあるんだ」という”こつこつ、ゆっくり”の精神。スピードや効率、生産性など利益ばかりが優先になってしまって、現代社会の私たちが忘れてしまっている大切なことを思い出させてもらいました。

カウンセリングも人生も、こつこつとやってみると、見てくることがあるはず。

風が吹けば、枯れ葉が落ちる。
枯れ葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。

時間はかかるかもしれませんが、”こつこつ、ゆっくり”の先にある”実り”を探しに行く旅に出ませんか?

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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