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母と娘のゆがんだ関係の元凶

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

今朝自宅でラジオを聞いていて、今日の最高気温を知ってビックリしました。4℃ですって、4℃!最低気温は0℃って…既に、冬ですよ、冬!暑いのが苦手な冬生まれの私は、寒い気候が嫌いではありませんが、雪が降るまでのこの期間は大嫌い(キッパリ)!幸いなことに我が家は暖房を入れなくても19℃くらいはあるので、まだ暖房はつけてません。でも、寒さが苦手なニャンコたちに申し訳ないので、彼らにはマイクロフリース素材のブランケットを買いました。早速、リオ(♂)はブランケットの中でヌクヌクです。
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昨日のブログでは、母の愛情の裏に潜んでいる「支配」や「コントロール」についてお話しさせていただきましたが、そのホラーのような内容に背筋がゾクッとした方もいらっしゃったのではないでしょうか?このような母娘問題の葛藤はなぜ生じるのでしょうか?息子ではなく、なぜ娘がターゲットになりやすいのでしょうか?本日は、この2つの「なぜ?」を紐解いていきたいと思います。

母娘問題の葛藤はなぜ生じるのか?
母娘に限らず、親子関係における葛藤や問題が発生したとき、大抵、その夫婦の関係性にも問題があります。

仲の良い夫婦の間には、円滑な夫婦間のコミュニケーションを軸に「夫婦の問題は夫婦で話し合って解決する」ことができる関係性が構築されています。夫(妻)の気持ちは妻(夫)がしっかりと受けとめることができる信頼関係ができているので、不安や疑問、不満があったとしても、相手としっかり向き合い、夫婦二人で解決することが可能です。

しかし、夫が仕事を理由に不在がち、自宅にいても話を聞いてくれない。妻のみならず、家庭そのものに関心を向けてくれない。暴力を振るったり、お酒の問題があったり、浮気したりする…など、夫婦の関係性に何らかの問題があるとき、解消されない不安や疑問、不満は子どもに向けられるのです。

幼い子どもにとって、母親との関係は「自分の世界の中心」と言っても過言ではありません。そんな母親が父親との関係で不安定になっていることを目の当たりにして子どもが感じるのは、「見捨てられてしまうのではないか?」という不安。父親の代わりになって母親の気持ちを受けとめれば、母親は安心する。そして、母親を刺激しないようにいい子でいれば、見捨てられることもないし、自分の不安も解消される。これは、自分の力だけでは生きのびることができない子どもなりの処世術なのです。

子どもに向けられた母親の夫婦の間で満たされない思いに、真摯に応える健気な子ども。こうやって構築されていく「母の愛情」という名の「支配関係」は、長い年月をかけて、少しずつ、そして、ゆるやかに強化されていくからこそ、気づきにくいものなのです。

なぜ娘がターゲットに?
では、なぜ息子ではなく、娘なのでしょう?それは男女の違いによるところが大きいと言えるでしょう。

確かに個人差は存在しますが、一般的に男性は合理的、かつ現実的、そして問題解決志向の傾向にあります。私がブログで取り上げたケースでも、母親が息子に愚痴をこぼしたところ、「そんなこと、俺に言ったってどうしようもないだろ?そんなこと、父さんに直接言えよ!」と、ピシャリと言われてしまっていましたよね。これは、かなり合理的かつ問題解決志向的な発言と言えます。

その一方、女性は共感性が高い生き物。まず相手の「気持ちを汲みとる」ことを大切にします。愚痴をこぼすのは、自分の気持ちを誰かにわかってもらいたいからこそ。「それは大変だったね」「ひどいよね」「頭にくるよね」などと、自分の気持ちに共感を示してくれ、自分の思いを受けとめてくれる娘は、まさに母親にとっての心の拠りどころ。こうやって母親はグイグイと娘との関係にのめり込んでいくのです。

このようなプロセスを経て、知らず知らずのうちに構築されてしまうゆがんだ母と娘の関係。このような関係性が続くと、葛藤から息苦しくなってきます。それだけならまだましなのですが、互いへの憎しみが生まれてしまう危険性をもはらんでいます。果たして、どうやったらこの葛藤を解消することができるのでしょうか?

次回は、この葛藤を解消するヒントをお届けします。

関連記事:「母の愛情」と思われるものの裏に潜んでいるもの その1
     「母の愛情」と思われるものの裏に潜んでいるもの その2
     「母の愛情」と思われるものの裏に潜んでいるもの その3
     「母の愛情」と思われるものの裏に潜んでいるもの その4

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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