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カウンセラーブログ

私の憧れの女性

札幌市中央区にあるカウンセリングオフィス プログレスの向 裕加です。

昨日までの暖かさとはうってかわって、一気に寒くなりまたね。秋は雨がふるたびに少しずつ寒くなっていくので、体調管理が難しい時期でもありますが、みなさんは体調壊されたりはしていませんでしょうか?私はといいますと、先週ひいてしまった風邪は金曜日がピークだったようで、なんとか金曜の夜から3日間続けてあった通訳の仕事を無事に遂行することができました。3日間ずっと続いていた緊張感からも解放されて、今はホッとしています。

私のメインの仕事はカウンセリングになりますが、年に1~2回ほど通訳のお仕事をさせていただくことがあります。最初にこの仕事に携わるきっかけは、大学院生のころに遡ります。通っていた大学院で開催された学会に海外の有名なサイコセラピストを招いてワークショップをするという企画があり、そのワークショップでの通訳を任されたのが初めての経験でした。留学の経験はありましたが通訳としての専門的なトレーニングを受けたことがあるわけではないので「本当に私でいいのだろうか?私が役目を果たせるだろうか?」という不安もありましたが、「何事も挑戦!」と思い、お話を引き受けました。そのときに私が担当したのが、オーストラリアのサイコセラピストのスー・ダニエル(Sue Daniel)でした。
(スーに抱っこしてもらっているリオ。ちなみに、後ろには、ちょろっとルナが映り込んでます。笑)

彼女は、サイコドラマ(心理劇)と呼ばれる演劇の枠組みと技法を用いてクライエントの抱えている問題の解決を目指す集団精神療法を専門としているセラピストです(興味のある方は心理劇orサイコドラマで検索してみてください)。セラピストとしての活動だけでなく、オーストラリアのメルボルンでサイコドラマを教える研究所も主宰しています。サイコドラマの第一人者である彼女は、世界中でワークショップを開催するほどの人気者なんですよ。

そんなスーとの私との出会いは2000年。当時、私は「サイコドラマって何?」というくらい無知でした(今でも、お恥ずかしいことにちゃんと勉強したことはないんですよね...)。自分が知らないことについて通訳をするということ、しかも、それが通訳として初めて仕事をするデビュー戦。自分のことで精一杯過ぎて当時のことはほとんど記憶にありませんが、テンパっている若かりし頃の未熟な私を見守ってくれてたスーの暖かい眼差しと包容力は、今でもハッキリと覚えています。それ以来、彼女が来道する際は必ず私が通訳として帯同することになり、彼女とのお付き合いも16年と長いものになりました。

1年に1度とは言えども、一流のサイコセラピストである彼女の通訳として近くにいることができることは、たくさんの素晴らしいことを身近で学ぶことができる貴重な時間です。こころの問題に対するアプローチの仕方は異なりますが、人のこころの問題を扱う仕事に従事しているという意味では同じプロフェッショナル。プロフェッショナルとして、どのように人に向き合うのか、どのような視点をもって対応にあたるのか、自分自身をケアするためにどのようなことが必要なのか…etc.、基本的ながらも大切なことを、彼女自身の在り方やちょっとしたときに交わす会話を通して学ばせてもらっています。今回のワークショップでも、たくさんのことを学びました。その中でも一番印象的だったのは、あるワークをしていたときに彼女が言ったこんな言葉でした。

「私たちに必要なものは、実はとてもシンプルなことなの。ただ誰かがそこにいるという感覚だったり、手の暖かさだったり、優しい眼差しだったり...。そんな他愛もないありふれたことにもこころをオープンにして、しっかりとそれらを感じとることさえできれば、私たちのこころはいつも穏やかでいられる。でも、なぜか私たちは頭ででっかちになってしまって、必要以上に難しく考えようとするから、ボタンを掛け違えちゃったりするのよね。世の中のシンプルなものほど、しっかりと感じとって、味わって、大切にしたいものね。」

経験が長くなれば長くなるほど、たくさんの知識を持つことや素晴らしいスキルやテクニックを持つことにとらわれがちになるセラピストは多いもの。しかし、気持ちや感情(feelings/emotions)に触れるときは、丁寧に優しく、そして、それがどんな感情であれリスペクトするというシンプルで、かつ、基本的なことを大切にできない限り、セラピストとしては一人前とは言えないな…と、彼女の言葉を聞いて、そう強く思いました。そんな大切なことをサラリとさりげなく教えてくれるスマートさも、彼女の素敵なところなんですよね。

実は、彼女、私の母と同じ年齢。プライベートでも一緒にご飯に行ったりするのですが、仕事の場を離れたときの彼女は、遊び心やユーモアセンスがあるチャーミングな女性。そして、見てのとおり、とてもオシャレなんです!可愛い靴や素敵な服やアクセサリーを身にまとっていて、彼女とのオシャレ談義も、彼女と仕事をするときの楽しみのひとつです。

プロフェッショナルとしても、ひとりの女性としても、彼女は私の憧れの女性。そんな女性に出逢えたこと、そして地球の反対側に住んでいながらも、今もなお、こうやって繋がることができることを光栄に思っています。
20年後、私も彼女のような素敵な女性になれているでしょうか?
そのためにも、彼女のように日々の生活の中にちりばめられている何気ないシンプルなことを大切にする姿勢を忘れずにいたいと思います。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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