札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向です。

一昨日から嵐のような強い風が吹いていますね！
私は築36年を迎えたマンションに住んでいます。
昨日の夜中のように突風が吹き荒れると、
家中の窓がガタガタとかなりの音を立てるんです。
なので、昨日は風の音でよく眠ることができず、
寝不足な朝を迎えてしまいました。
そんなこんなでブルーなMonday morningを迎えてしまいました。

さて、先日、我が家でラジオを聴いていたら、
先月の札幌の日照時間が話題に上がっていました。

私が抱いている6月の札幌のイメージとは…

こんな感じで青い空に白い雲、そして木々の青々とした緑のコントラストが
とても美しく爽やかな街…だったのに、
もはや、このイメージは過去のものになりつつありますよね。

数年前からよく耳にする「蝦夷梅雨」という言葉。
元来、北海道には「梅雨」がないと言われていたのにもかかわらず、
ここ数年の6月は、間違いなくぐずついた天気の日が増えたと思います。

気になったのでリサーチしてみたのですが、今年の6月の日照時間は157.7時間。
一方で、例年の6月の平均日照時間は187.8時間ですので、
今年は例年より30時間も日照時間が少なかったんですね。
どおりで気分もスカッとしない訳だ…と妙に納得してしまいました。

私のようなこころの専門家たちが、患者さんやクライエントさんの
気分の落ち込み具合などを確認するときには
「今の気分を天気に喩えると、どんな感じですか？
　スキッと青空が出ている感じですか？
　それとも、今にでも雨が降り出しそうな
　雲がかかったようなモヤモヤした感じでしょうか？」
などと、気分を天気に喩えてお話することがよくありますが、
このような表現を使うくらい天気と気分の間には密接な関係があるんです。

うつ病の中には「冬季うつ病」と呼ばれる季節性の感情障害が存在します。
これは冬季間に日照時間が減少することで引き起こされるうつ病です。
うつ病…とまではいかなくとも、なんとなく冬になると気分が落ち込んだり
不安定になりがちだなぁと感じている方も多くいらっしゃるかと思います。

これは太陽の光を浴びることで生成される脳内のセロトニンという物質の分泌が、
日照時間が減少することによって引き起こされるからだと考えられています。
セロトニンは人間の感情や精神、記憶や運動機能や睡眠といったような
人間の体の重要な機能に大きな影響を与えている三大神経伝達物質の一つです。
（他の二つはドーパミンとノルアドレナリン）
そのセロトニンの分泌が減少することで、精神の安定性も崩れてしまいがちなのです。

雪に埋もれている地域では、冬季のうつ病の罹患率が上がると言われていますし、
北欧の自殺率の高さは、冬の日照時間の少なさが原因と言われています。
また、私が学生生活を過ごしたカナダのバンクーバーも11月〜2月くらいまで
毎日が、雨、雨、雨のどんよ〜りとしたお天気が数ヶ月続くのですが、
バンクーバーやその少し南のアメリカの都市シアトルでも、
同じように冬場のうつ病の罹患率や自殺率が高くなるという報告があります。

冬場ほど日照時間が短くないとはいえ、やはり太陽の光を浴びる時間が少なくなると、
私たちの気分は大なり小なり影響を受けるものなのです。

では、気分の落ち込みはどのように改善したら良いのでしょうか？

基本的には「太陽の光」をガンガン浴びること！
そして、とにかく太陽の光を浴びてセロトニンの生成に励んでください！
20分くらい外に出るだけでも良いという研究報告もあります。
20分くらいで良いのなら、気軽にできそうですよね。

でも、「外に出るのが億劫だわ〜」「日焼けが気になるわ〜」という方は、
外に出なくても良いので、最低でも朝ちゃんと起きてください。
そして、起きたらカーテンを開けて窓から入ってくる太陽光を浴びてください！
それだけでも違います。

先日、東京からやってきた友人に
「北海道の人は全力で夏を楽しむって感じだよね〜」
と言われました。
科学的根拠は全くないので、これは私の個人的な見解なのですが、
それは冬になると少なくなってしまうセロトニンを
一生懸命夏のうちに生成しておこう！という
無意識のうちの行動なのかもしれませんね。
ということで、私も全力で夏を楽しむ所存でございます。

まずは、この日曜日にさっぽろばんけいスキー場（ban.K）で
開催される「SAPPORO CRAFT BEER FOREST 2016」に参加予定。
大人気のクラフトビールを大自然の中で飲んじゃおう！という素敵な企画です。
これは去年のビアフォレストの様子。
みなさんレジャーシートを広げて、青空の下、
緑に囲まれて思い思いの時間を過ごしていましたよ。
現時点での週末の天気予報は、晴れ時々曇りで最高気温26℃。
ビールを美味しく飲める気温ですし、
セロトニンもバッチリ生成できそうなお天気ですね！
しかも、マイナスイオンのおまけ付きです！
（でも虫がたくさんいるので、虫よけ対策はマスト！）

心身ともに健やかな日々を送るためには、
お天道様の光を浴びることは必要不可欠なこと。
「もっと光を！」とは、ゲーテの最期の言葉ですが、
日頃から「もっと光を！」意識してみたいものです。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士　　向　裕加