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知ることからはじめるメンタルヘルス

札幌大通にあるカウンセリングオフィス プログレスの向です。

札幌ではYOSAKOIソーラン祭りが開催されていますが、
今日は4月下旬並みの気温までしか上がらないとか。
お出掛けされる方は、くれぐれも風邪をひかぬようお気をつけください。

さて、昨日は歌舞伎俳優市川海老蔵さんの奥さまである
麻央さんの病気についてのニュースを耳にして、
驚かれた方も多いのではないかと思います。

乳がんについては、昨年の秋に北斗晶さんも
闘病中であることを公表しましたよね。
その影響で乳がんの検診率が飛躍的にアップしたそうです。
多分、麻央さんが乳がんであることを公表して、
若い女性の間で乳がんに対する関心や意識の
高まりが見られるのではないかと予想しています。
予防の観点からも、とても大事なことだと思います。

普段、私たちはどこかで病気は「自分には関係ないこと」と捉えている節があります。
殊更、こころの病に関してはその傾向が強いのではないでしょうか?

みなさんは、年間、どのくらいの人がこころの病の治療を受けていると思いますか?

その数は年間約300万人以上で、これは日本人の約40人に1人の割合です。
そして生涯を通じて、5人に1人はこころの病気にかかるといわれています。
先に取り上げた乳がんは12人に1人が生涯にかかるといわれていることを考えると、
こころの病気にかかる可能性の方がよっぽど高いのです。

話は変わりますが…
先日の帰宅途中、若いサラリーマンの男性が電話で
「忙し過ぎて、もう病んじゃってますよ〜。あはははは!」
と話している場面に遭遇しました。

私が臨床心理士になった10数年前の当時と比べて、
札幌市内にある心療内科や精神科のクリニック・病院は、
間違いなく増えましたし、当オフィスのように
カウンセリングを提供するところも増えました。
増えているということは利用する人が増えている…
ということでもあるのですが、先の若いサラリーマンの発言のように
こころの病に対する「偏見」はまだ根強く残っているのも事実です。

こころの病についてはフランクに話せない。
こころの病にかかることは恥ずかしいこと。
こころの病にかかる人は「怠け者」そして「弱い人」。

そんな偏見や社会的風潮がこころの病気に対する誤解を生み、
誤解が更に偏見を助長する…という悪循環が、
正しい理解が進まなかった背景にあると思います。

こころの病は身体やこころが疲れたら、誰しもがなりうる病であること。
こころの病やその治療に対する正しい知識を身につけること。
自分の外にあるものだけに意識を向けるのではなく、
内側に目を向けることも大切であること。

これらのメッセージをひとりでも多くの人に届け、
こころの病に対する差別や偏見を少なくしていくことも、
臨床心理士としての重要な役目だと考えています。

以前と比べて、乳がんに対する正しい知識や関心が格段に高まったように、
今後、社会の中でこころの病についても関心が高まっていくことを期待しています。
そのためにも、私も様々な役に立つ情報を発信していきたいと思いますので、
お時間があるときには、是非目を通してみてください。

カウンセリングオフィス プログレス
臨床心理士  向 裕加

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